本記事は中央通信社の張欣瑜記者による特別報道であり、編集は唐聲揚が担当しました(114年5月16日)。

台湾経済部(経済省)は、34のスタートアップチームとともに「SelectUSA投資サミット」のスタートアップ競技部門「SelectUSA Tech」に参加しました。多くのチームがその後、シリコンバレーを訪れて現地のネットワーキングを行い、将来的な米国市場進出に向けた基盤づくりを進めました。中央通信社の張欣瑜記者が、カリフォルニア州サンフランシスコから現地の様子を伝えました(114年5月16日)。

(中央通信社記者 張欣瑜/サンフランシスコ15日特電)経済部は34のスタートアップと共に「SelectUSA投資サミット」のスタートアップ競技イベント「SelectUSA Tech」に参加し、多くのチームがその後シリコンバレーに赴いて現地との連携を深めました。

中でも、神瑞人工智慧(DeepRad.AI)は今回初めてこのコンテストに出場し、世界トップ3に入賞。同社の共同CEOである林仟雯氏は、今回の訪米が大きな成果をもたらし、米国市場への進出に向けた道を切り拓くものとなったと述べました。

本日、約20の台湾スタートアップがサンフランシスコで開催されたスタートアップフォーラムに参加し、「シリコンバレーのアヤ」こと起業家の鄭雅慈氏が司会を務めました。

DeepRad.AIの共同CEO 林仟雯氏は取材に対し、今年初めて「SelectUSA投資サミット」に参加し、米国各州から参加した医療関連機関と積極的に連携を図ったことが、米国での展開の糸口になったと語りました。

「SelectUSA投資サミット」は、5月11日から14日までワシントンD.C.で開催されました。経済部は今年、34のスタートアップと共に参加し、そのうち3社が分野別競技で世界トップ3に選ばれました。

受賞企業には、神瑞人工智慧(DeepRad.AI)、張量科技(Tensor Tech)、精準智能(Precise Big Data)が含まれます。

神瑞人工智慧は、AIを活用した医療画像解析技術により、肺結節の検出、冠動脈カルシウム(CAC)リスク、骨粗鬆症リスク、認知症リスクといった複数の疾病リスクを一度の検査で評価することが可能であり、オープンテック(Open Tech)分野で世界3位の評価を受けました。

林仟雯氏は、「今回のSelectUSA投資サミットは非常に実り多い経験だった」と述べ、米国の著名な医療機関であるメイヨー・クリニック(Mayo Clinic)などとも接触できたことを紹介しました。

メイヨー・クリニックはアリゾナ州に医療スタートアップ向けの拠点を持っており、今後の米国展開を検討する上での参考になるとしています。サミット終了後にはシリコンバレーを訪れ、さらなる連携機会の発掘を目指しました。

また林氏は、米国への進出を選んだ理由について、「政府の支援に加え、当社の製品は医師を支援するソフトウェア医療機器であり、米国がこの分野における最大市場であるため、創業当初からアメリカ市場を念頭に置いていた」と説明しました。

競合が多い米国市場において、林氏は「台湾のスタートアップは柔軟性に優れており、現地の使用習慣に合わせたカスタマイズが可能で、医師のニーズに応じた調整ができるのが強み」だと語りました。

AIの進化により、疾病リスク判定の精度そのものには大きな差がない可能性がある一方、ユーザー体験の面では差別化が図れるとし、「台湾のスタートアップは高い柔軟性を持っており、より優れた体験を提供できる自信がある」と述べました。

今回、世界トップ3に入賞した他の2社についても紹介します。

張量科技(Tensor Tech)は、球状モーメンタムホイール(姿勢制御装置)の開発に注力する宇宙関連企業であり、宇宙市場への進出を目指してシステム周辺機器の開発も進めています。

精準智能(Precise Big Data)は、血管のホットスポットを正確に計測できるリアルタイム心臓センサーを開発し、長時間心電図診断の精度向上に寄与しています。(編集:唐聲揚)