台北医学大学の陳震宇副学長によって設立された研究チームは、「多モーダル肺癌臨床インテリジェンス意思決定支援システム」などのプロジェクトを通じて、202196日に科技部未来技術賞を受賞しました。20251014日から23日には、台北国際貿易センター(台北世貿一館)で開催される未来技術館の実物展示およびオンライン展示に参加しました。

多モーダル肺癌臨床インテリジェンス意思決定支援システム:陳震宇、許明暉、張資昊、蕭世欣、陳志榮、黎阮国慶

「多モーダル肺癌臨床インテリジェンス意思決定支援システム」は、台北医学大学の陳震教授/副学長と、データ処理部の許明暉CIO、情報部の張資昊部長、AIプログラムの李阮国慶先生、台北医学大学附属病院の胸部内科の蕭世欣主任、病理科の陳志榮教授、さらに台湾の医療テクノロジー企業である雲象科技(Yun Xiang Technology Co., Ltd)および泛定科技(Findings Technology)との協力のもと、2020年の科技部の肺癌大データ精密医療人工知能システム計画を実行しています。

この技術は、革新的な人工知能を利用した肺癌モジュールに基づき、臨床CTおよびデジタル病理画像の解析を支援し、臨床データと遺伝子データを組み合わせて、意思決定支援共有システム(CDSS-SDM)を構築します。臨床の実際の病気の進行プロセスに基づき、医師に対して診断、精密評価、段階的評価を提供し、医師と患者の共同意思決定を促進します。これにより、臨床実務での実際的な価値を引き出し、国際的な競争力を高め、医療人工知能産業の発展を推進することを目的としています。

肺癌は台湾におけるがんによる死亡原因のトップであり、近年、標的療法や細胞免疫療法薬の進展にもかかわらず、患者の5年生存率は依然として約15%にとどまっています。臨床における肺癌の早期診断には精密な画像診断が必要であり、治療や薬物選択には遺伝子変異などの発病因子の参考が求められます。医療効果の向上、肺癌における精密な臨床経路と治療の実現を目指し、この技術は「早期予防、精密診断、精密薬物治療」を目標に、台北医学大学の高品質な臨床ビッグデータを活用し、医療テクノロジー産業の大手企業と共に、未来技術のビジョンを備えた多モーダル肺癌臨床インテリジェンス意思決定支援システムを共同開発しています。この技術は、深層学習に基づいて開発された肺癌大データ精密医療人工知能プラットフォームであり、実際の肺癌臨床経路の意思決定を向上させることができる高精度の多モーダル肺癌臨床データ統合AIプラットフォームです。将来的には、他の癌種にも応用可能であり、精密医療AI産業の繁栄を促進する役割も果たします。(文/人工知能医療研究センター)

【下図:陳震宇副学長の研究チーム集合写真。左から張資昊CIO、許明暉データ長、陳志榮教授、陳震宇副学長、李阮国慶先生、蕭世欣主任】